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選び方ガイド

普通二輪免許で乗れる400ccの底力
「ほぼ大型」と言われる一台の選び方

普通二輪免許で運転できる二輪車の上限は、総排気量400cc以下と定められています。高速道路の巡航や二人乗り、荷物を積んでのツーリングといった場面では大型二輪に迫る実力を発揮することもあり、「ほぼ大型」と評されることも少なくありません。とはいえ免許区分・車検・維持費の面では大型二輪や250cc以下のクラスと異なる位置づけにあり、その違いを踏まえて選ぶことが遠回りしないコツです。この記事では特定の車種を比較するのではなく、400ccというクラスをどう捉え、何を確認して選べばよいのかをカテゴリ単位で整理します。


クリーム色の紙に鉛筆調で描いた、400ccクラスの二輪車三台のシルエット図。左からネイキッド、中央にフルカウルのスポーツ、右にツアラーを並べ、乗車姿勢や装備の違いを中立的に示す。赤の差し色。読める文字やロゴ、実在ブランドは描かない

400ccという区分がどこに位置するのか——普通二輪免許の上限

普通二輪免許で運転できる二輪車は、道路交通法第85条により、総排気量400cc以下の普通自動二輪車です(このほか小型特殊自動車と一般原動機付自転車も運転できます)。免許の呼び名としては、JAFの案内でも原付・小型限定普通二輪・普通二輪・大型二輪と整理されており、普通二輪はこの4段階の3番目、125cc超400cc以下の帯にあたります。ただしこれは免許を取るときの呼び分けであって、普通二輪免許で125cc以下の車両に乗れないという意味ではありません。つまり400ccは、普通二輪免許を取得したライダーが到達できる排気量の天井にあたるクラスであり、これ以上の排気量を求めるなら大型二輪免許の取得が必要になります。

この「上限に位置する」という立ち位置が、400ccクラスが特別な存在感を持つ理由のひとつです。125cc以下のクラスは高速道路を通行できませんが、400ccクラスはこの制約を受けず、後述するように高速巡航や二人乗りの扱いも大型二輪とほぼ同列に扱われます。制度上の壁をひとつ越えた先にあるクラスという性格が、「ほぼ大型」という言い回しにつながっていると考えられます。

免許区分の上限はどう決まってきたか——制度の経緯を押さえる

現在の「普通自動二輪免許は400cc以下」という区分は、最初からこの形だったわけではありません。二輪専門メディアの整理によれば、1975年の道路交通法施行規則改正で、それまで一括りだった自動二輪免許が、排気量制限のない区分・400cc以下の中型限定・125cc以下の小型限定という3つに分かれました。その後、1995年4月21日に公布された道路交通法の一部を改正する法律(平成7年法律第74号)で大型自動二輪車免許が設けられ、旧来の中型限定は普通自動二輪車免許に、小型限定はその限定付き免許に引き継がれています。この改正は公布と同時に効力を持ったわけではなく、附則第1条が施行日を「公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日」としており、実際に施行されたのは翌1996年9月1日でした。沿革を「1995年」と書く資料と「1996年」と書く資料があるのは、公布と施行のどちらを指しているかの違いによるものです。

つまり400ccという上限は、当時「中型」と呼ばれていた区分の数字がそのまま引き継がれた形にあたります。免許制度は道路交通法・同施行規則の改正によって今後も変わりうるものであり、実際に排気量区分や取得条件は過去に複数回見直されてきました。車両を選ぶ際は現行の区分を前提にしつつ、免許にかかわる制度は将来変更される可能性がある点を頭の片隅に置いておくと安心です。

車検・維持費で分かれる線——250ccクラスとの違い

400ccクラスを検討するうえで実務的に効いてくるのが、車検の有無です。JAFの案内では総排気量250cc超の二輪車には新車登録から初回3年、以降2年ごとの車検が義務づけられており、軽自動車検査協会の案内でも251cc以上の二輪車は同協会の対象外で、使用の本拠地を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所が窓口になるとされています。一方で250cc以下の車両には車検の義務そのものがありません。

400ccは250cc超の区分に含まれるため、当然この車検義務の対象になります。車検があること自体は、定期的に保安基準への適合を確認する機会が制度的に組み込まれているという見方もでき、一概にデメリットとは言い切れません。ただし車検にともなう費用や手続きの手間は250cc以下のクラスにはないものなので、購入前に維持費の内訳としてあらかじめ織り込んでおくのが無難です。なお点検・整備自体は車検の有無にかかわらず必要になる点も、あわせて押さえておきたいところです。

高速道路・二人乗り・積載——実用面で問われる場面

400ccクラスが「ほぼ大型」と語られる大きな理由のひとつが、高速道路と二人乗りの扱いです。JAFの案内によれば総排気量125cc以下の二輪車は高速道路を通行できませんが、400ccクラスはこの制限の外にあり、大型二輪と同じく高速道路・自動車専用道路を走行できます。

二人乗りについても、道路交通法第71条の4は、高速自動車国道および自動車専用道路で運転者以外の者を乗せることを、20歳に満たない者と、免許を受けていた期間が通算3年に達しない者に対して禁じています。裏返せば、20歳以上かつ免許期間が通算3年以上でこの条件を満たすことになり、警視庁も首都高速道路の二人乗り規制の案内で同じ条件を示しています。条文は大型自動二輪車と普通自動二輪車の双方を同じ文言で扱っており、排気量による区別を設けていません。つまり制度上、400ccクラスと大型二輪の間で高速道路の二人乗り資格に差はなく、条件を満たしたライダーであればどちらのクラスでも同じように扱われます。

積載面では、400ccクラスは車体・エンジンに余裕があるぶん、荷物を積んだ状態でも姿勢が乱れにくい傾向があるとされますが、実際の積載量や走行安定性は車種の設計によって差が大きく、この記事では具体的な数値を挙げての比較は避けます。ロングツーリングを想定するなら、次の章で触れるタイプ別の特徴とあわせて確認するのが実用的です。

タイプ別に見る向き不向き——ネイキッド・スポーツ・ツアラー・クラシック

同じ400ccというくくりでも、車体の設計思想によって得意な場面は変わります。ネイキッドタイプはカウルを持たない素の姿が特徴で、街乗りから休日のツーリングまで幅広くこなしやすく、最初の一台として選ばれることも多いタイプです。フルカウルを備えたスポーツタイプは高速巡航時の防風性能や前傾姿勢での走行安定性に強みがある一方、低速での取り回しや信号待ちの多い市街地ではやや窮屈に感じられる場合があります。

ツアラータイプは積載装備や防風性、シートの快適性を重視して設計されることが多く、長距離移動での疲労の少なさを狙いやすい反面、車体重量が増えやすく、取り回しや駐輪の場面では他のタイプより気を使う場面が出てきます。クラシック・ネオクラシックタイプは外観や乗り味を重視した作りが多く、装備がシンプルなぶん軽量に仕上がっている車種もあれば、快適装備を絞った分だけ長距離での快適性はツアラーに譲る車種もあります。どのタイプが向いているかは、通勤中心か休日のロングツーリング中心かといった普段の使い方によって変わってくるため、用途を先に決めてからタイプを絞り込むのが遠回りしない考え方です。

大型二輪との違い——何を得て、何を割り切るか

400ccクラスが高速道路・二人乗りの扱いで大型二輪と並ぶ一方で、割り切ることになる部分も残ります。ひとつは動力性能で、排気量に上限のある普通二輪免許のクラスは、一般論として排気量に余裕のある大型二輪のモデルに比べ、加速や高速域での余裕という点で譲る場合が多いとされます。ただしこれは車種・年式によって差が大きく、この記事では特定の性能値を挙げての優劣づけはしません。

もうひとつの違いは免許取得のハードルです。大型二輪免許は普通二輪免許よりも高度な運転技能が求められるとされ、教習時間や費用の面でも普通二輪免許のほうが取り組みやすい傾向があります。加えて400ccクラスは車体サイズ・重量が大型二輪より抑えられている車種が多く、取り回しのしやすさや保管のしやすさという面でメリットになる場合があります。「ほぼ大型」という評判は、高速道路・二人乗りという制度面での差の小ささから来ている一方、動力性能や車体の作り込みは車種ごとの個性が大きく出る部分でもあるため、最終的には実車の試乗や資料で確認することをおすすめします。

選ぶときに確かめておきたい点

400ccクラスの中から一台を選ぶ際は、まず車両重量とシート高を確認し、両足がどの程度地面に着くか、取り回しに無理がないかを見ておくと安心です。カタログ値だけでなく、可能であれば実際にまたがって確認するのが確実です。中古車を検討している場合は、次回の車検がいつ来るのか、これまでの車検・点検の記録が残っているかもあわせて確認しておきたいところです。

そのうえで、通勤中心か休日のツーリング中心か、二人乗りをする機会がどれくらいあるかといった使い方を具体的に思い浮かべ、前の章で触れたタイプ別の向き不向きと照らし合わせるとクラスの中での絞り込みがしやすくなります。将来的に大型二輪免許の取得を考えているかどうかも、車体サイズや乗り味の好みを確認するうえでのひとつの判断材料になります。免許・車検・保険にかかわる制度は改正されることがあるため、購入を具体的に検討する段階では、現時点の最新情報を販売店や公的機関の案内で確認することをおすすめします。

この記事は一般的な整理であり、個別車種の性能や適合を保証するものではありません

紹介した免許区分・車検制度・高速道路の二人乗り条件は、道路交通法およびその施行規則の条文を主たる根拠とし、JAF・警視庁・軽自動車検査協会など公的機関や公益法人の公開情報を補って整理したものです。免許区分・車検・高速道路の通行条件は法令改正によって変わることがあり、この記事の内容が常に最新の制度と一致するとは限りません。車両の購入や免許取得を具体的に検討する際は、必ず最新の法令・公的機関の案内や販売店・教習所に確認してください。

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